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配合剤と物性について

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実はゴム製品は様々な薬品を混ぜ合わせて作られています。
どのような配合剤があるか簡単にご紹介します。

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配合剤と物性について

新しく作れる

加硫剤(架橋剤)

概要と特徴

生ゴムに硫黄を添加して加熱すると、鎖状ゴム分子に三次元構造が形成され、弾性や引張強度などの諸物性に優れた製品が得られる。この現象を加硫といい、加硫に用いる物質を加硫剤(架橋剤)という。
加硫剤には硫黄が用いられることが多いが、他にも過酸化物架橋、金属架橋、アミン架橋、樹脂架橋などがあり、ゴムの種類や求める物性によって使い分けられる。

加硫促進剤

概要と特徴

ゴムの架橋反応で加硫剤とゴム分子の反応を促進して三次元構造の形成を助けるのが、加硫促進剤です。
加硫時間の短縮、加硫温度の低下、加硫剤量の減少、物理的・科学的性質の向上などの効果がある。
有機加硫促進剤と無機加硫促進剤があるが、有機促進剤が主流で種類も多い。無機促進剤は促進補助剤として利用されている。

スコーチ防止剤

概要と特徴

スコーチとは加硫剤を配合した後、成形する前に加硫反応が始まってしまう現象であり、スコーチ防止剤は加硫反応の始まりを遅らせるための薬品である。
混練り装置の大型化や練り時間の短縮などの合理化に伴ってスコーチを起こす傾向が大きくなり、スコーチの防止は重要である。

老化防止剤

概要と特徴

老化防止剤はゴムの劣化を防止するための薬品で、その機能から酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲亀裂防止剤、日光及びオゾン劣化防止等に分けられ、アミン系とフェノール系の老化防止剤が多く利用される。
一般にアミン系はフェノール系の老化防止効果を示すが、着色性と汚染性がある。また、オゾン劣化に対しては、配合後ゴムの表面に皮膜を作るワックスも用いられるが、静的条件下では極めて有効なものの、動的条件下では、皮膜が剥がれてしまうためその効果は小さい。

可塑性・軟化剤

概要と特徴

可塑剤はポリマーに可塑性を与え、配合剤の混合・分散を助け、圧延、押出しなどの成形作業を容易にし、未加硫ゴムの粘着性を増し、成形しやすくなる。同様な呼称に、軟化剤、プロセス油、エクステンダ油等があるが、明確な区分はなく、一般に、軟化剤、エクステンダ油といえば潤滑作用はもちろん、増量剤としてコスト低下を図る目的が重視される。

着色剤

概要と特徴

主として装飾的な色付けの目的からゴムに配合する材料を着色剤といい、主に顔料が用いられる。
顔料を大別すると有機顔料と無機顔料に分けられる。
有機顔料は色が鮮やかで着色力も大きいが、耐候性、耐熱性が劣り、有機溶剤には溶けるものが多い。
無機顔料は鮮明さでは有機顔料に及ばないが、耐熱、耐候性が優れ有機溶剤に溶けにくい。
また、無機顔料の中には有害性金属とされるものもあるので、注意が必要である。

発泡剤

概要と特徴

ゴムに配合してスポンジ製品を製造するための薬品を発泡剤と呼ぶ。つまり、配合物を加熱することにより発泡剤が分解し、炭酸ガス、窒素ガス、アンモニア等が発生してポリマーに気泡構造を成形させる作用をするものである。
古くは重曹や炭酸アンモニア等が用いられてきたが、最近では微細な独立気泡性スポンジを製造するために、窒素ガスを放出する多くの有機化合物が開発されている。

補強剤

概要と特徴

ゴムに配合して、加硫物の硬さ、引張強さ、耐摩擦性、引裂強さ等を向上させる配合剤を補強剤と呼ぶ。
カーボンブラックの補強効果が極めて大きいが、それ以外にもシリカ、特殊な炭酸カルシウム、ハイスチレン樹脂など、様々な種類の薬品がある。
近年、純ゴム配合では物性の劣る合成ゴムの消費が増大し、その白色・淡色配合物の補強剤として、無機及び有機化合物の果たす役割は大きい。

充填剤

概要と特徴

ゴム製品の容積を増し、コストを下げること、及び加工を容易にし、さらに物性を特殊用途向きに改良するために充填剤を配合する。
充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー等の無機化合物が主流を成すが、セルロース粉、再生ゴム、粉末ゴムなどの有機物質も用いられる。

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